テフロンといえば、真っ先に思い浮かぶのはフライパンのテフロン加工がとても馴染み深いのではないでしょうか。

ひとむかし前は、鉄のフライパンが主流でしたが、この焦げ付き知らず、または手間いらずのテフロン加工フライパンが安価な値段で出回るようになった昨今、どこの家庭でも1つや2つは必ず台所の収納棚に入っているのではないでしょうか。

そもそもテフロンとは何なのかというと、フッ素樹脂の一つの名前であり、開発をしたデュポン社の登録商標がテフロンという名前になっています。

またそのフッ素樹脂というのはフッ素原子を含むプラスチックの総称を指します。

プラスチックというと、熱に弱いイメージを持たれていますが、炭素原子とフッ素原子の結合によるフッ素樹脂というものは、科学的に分離することや、他の物質との新たな結合もほぼなく、そこから多くの特性が生まれています。

身近なものでは、家庭用のフライパンの撥水・撥油コーティングとして利用されています。

従来の鉄のフライパンは重い上に、使用後にはきれいにした後、油をなじませておかなければならないなど、収納面でも、お手入れの面でも主婦にとっては、扱いにくいものでした。

しかし、このテフロン加工のフライパンが発売されるや、料理をしても焦げ付かず、洗う時にはさっと汚れが落ちるという理由から、主婦層の支持をあっという間に得るようになりました。

このテフロン加工のフライパンも、出始めの頃はやや高価なものでしたが、昨今ではすっかり安価な手に入れやすい値段となり、これもまた主婦層に広く受け入れられた理由の一つではないでしょうか。

このフッ素樹脂というのは、多くの特性を持ち、フライパンのテフロン加工のみならず、広く様々な分野で利用されています。

いくつかあげられる特性としては、耐熱性・耐燃焼性・非粘着性・耐薬品性・電気絶縁性などがあげられます。

フライパンを利用してみて、そのいくつかの特性は既にご存知かと思いますが、フッ素樹脂というプラスチックでありながら、耐熱性にとてもすぐれています。

その耐熱温度は、およそマイナス100度から260度までといわれています。

家庭のコンロで使用しても、絶対に樹脂加工が溶け出すということは、ありません。

また、フッ素樹脂の高い非粘着性・離型性により、料理が焦げ付くこともなく、きれいに仕上がり、使用後のお手入れが簡単に洗うだけですむという利便性があげられます。

あまり知られていない所では、耐薬品性を生かし、薬品のボトルやタンクなどのパッキンとしても利用されています。

また電気絶縁性から、情報通信ケーブルや電気のコードなどのコーティングにも幅広く使用されています。

その他にも断熱材や、チューブ、ホース、粘着テープ、食品のプラスチックフィルムなど、フライパンのテフロン加工のみならず、案外身の回りの身近な所に、フッ素樹脂というのは多く使用されているものなのです。